企業にとって情報公開制度が気になるのは、役所にある自社の情報が、消費者やユーザーに公開されて「不当にもうけている」「売り惜しみしている」「公害対策が不十分だ」などと追及される火種になりはしないか、といった懸念でしょう。
あるいは、せっかくの商法改正で影が薄くなった総会屋やブラックジャーナリズムが、この制度を使って自社の情報を引き出し、経営者ひぼうのネタにするのではないかと心配する向きもあるかもしれません。
そんな心配のタネがないとしても、今後、この制度がキッカケになって「企業もドシドシ、自らの手で情報公開をするのが社会的責務だ」という声が強まるのではないか・・・
と、身構える経営者たちもいるかもしれませんね。
日本の企業は、昭和30年代以降の高度成長をきっかけに、ありとあらゆる公害、薬害事件などをひきおこしました。
さらに、昭和47年の田中角栄首相の日本列島改造論以降は、土地や木材などの投機、そして48年のオイルショックからは売り惜しみ、便乗値上げ、価格協定などで狂乱物価を招き、市民の側からきびしく批判されてきました。
消費者保護基本法(昭和43年)など、国民の生活や健康、安全などを保護する一連の立法があいついで成され、「商売だから、もうけのためなら何をしてもいい」時代でなくなってもう久しいですよね。
現在、ひところのような市民運動の盛りあがりは見られないとはいえ、企業悪を監視するムードは依然として強いもの。
そして企業悪の「壁」になりがちな「企業秘」を表へさらけ出すべきである・・・
という考え方は運動家たちだけでなく、一般市民間でもこれから高まりこそすれ、減衰するようなものではないと思います。
もうそういう時代なのですね。