その新しい問題とは、ほかでもない、企業同士の情報合戦のことです。
この情報公開制度を1967年以来、すでに17年間も続けているアメリカでは、「企業対市民」という図式もさることながら「企業対企業」のトラブルがたくさん発生しています。
高度情報化社会の経営戦略にとって、ライバル企業の情報は、どんな些細なことでも、貴重極まりない情報です。
このために裁判沙汰になるヶースも多いのですが、その防衛対策として情報公開の内容について、役所から企業へ「事前告知」する制度が運用面で広がりはじめ、また企業にとって安全な事前告知制度をガッチリと確保する法改正が同国では度々、論議されています。
アメリカのこの動きを受けて、日本でも昭和64年4月施行の東京都の情報公開条例のように、事前告知のできる道を用意するところが増えてきそうです。
東京都のように、条例の中に盛りこまなくとも、神奈川県や川崎市のように、実際の運用面で事前告知制度をとっている自治体がほとんどとなってきました。
いまのところ、企業の意思を聞いても、最終判断するのは行政当局であるというところばかり。
その点はいいのですが、今後、これが実質的な事前了解制度に変質するようなことがあれば、市民団体がいう「情報非公開条例」になるおそれも出てくるでしょう。